理学療法士が起業するメリット・デメリットとその形
From:江黒 亮介
オフィスにて
理学療法士の起業思考が増えてきています。
今日は起業について悩んでいるあなたのために。
起業の先輩としての記事を書きたいと思います。
【目次】
理学療法士の起業はリスクが高いのか??
理学療法士として病院や介護施設に勤めていて、ふと「独立したい」。
と思うことがあるのではないでしょうか?
とくに日々の臨床を頑張っていればいるほど、その思いは強くなるかもしれません。
起業している理学療法士として、知っていることや日々感じることを書いてみたいと思います。
理学療法士の給与は安い??
あなたが起業を考える時はどんな時ですか??
「給与が不満」、「やりたいことができない」
そんな思いがあるのではないでしょうか??
厚生労働省の平成27年調査によると、理学療法士全体の給与は平均400万円くらいだそうです。
退職するくらいの年齢になって、やっと年収600万円弱くらいの年収になると言われています。
これはサラリーマン全体の給与平均から比べると約100万円くらい安い数字です。(平成27年度国税局の調査による)。
「苦労して国家資格を取得してもこの程度か!!」と思うかもしれません。
理学療法士として勤めているメリットは??
給与面だけ見ていると、とても割の合わない気がしてくると思います。
それでは、勤めているメリットはなんでしょうか??
① 額面は安くても、一定額の給与が支給される。
② 社会保険や退職金の積立がある(中小企業ではないところも多いです)。
③ 有給休暇がある
④ 辞めたい時に辞めることができる。
⑤ 失職した時に、失業保険が使える。
⑥ 住宅ローンが組みやすい。
⑦ 経営についてあまり考えなくていい。
⑧ 責任者が上に必ずいる(社長でない限り)。
⑨ 勤めているところのネームバリューが使える
そして、病院に勤めていると多くの病院にはまだ以下の待遇が隠れています。
① 病院が積み立てている付加年金の存在(第3の年金)。→退職後年金額が多くなりやすい
② 退職金も多めになることもまだある。
勤めているメリットもまだまだありそうです。
理学療法士が起業するメリットは??
それでは、対照的に理学療法士が起業するメリットについてご案内します。
あなたのもつ起業のイメージはどんなものですか??
江黒が感じる理学療法士が起業することのメリットは以下の通りです。
① 自己裁量が増える
② 経営が軌道に乗れば収入が増える
③ やりたいことがはっきりしている場合は、夢を実現できる可能性がある。
④ 周りからすごいと思われる。
⑤ 肩書きがなんだか偉そうになる。
⑥ 営業の人にぺこぺこされることが増える
⑦ 売上が思うように上がれば天国に登る気持ちになれる。
意外とメリットをあげようとすると難しいものです^^;
まとめると大きなメリットは二つです。
でもこのメリットがとても魅力的だと思います。
「収入と夢の実現」
これが起業を志す大きな利用ではないでしょうか??
では、理学療法士が起業するデメリットは?
反対に、理学療法士が起業するデメリットについてお話しします。
① 経営がうまくいかなくなった時のリスクがある
② いいも悪いも孤独になりやすい(経営判断は、個人で行うもの。相談相手が少なくなります)。
③ 売上が上がらないと、信じられないくらいに辛い思いをする。
④ 突き抜けた売上を達成し続けないと、安心できない。
⑤ 気軽に辞めることができない。
⑥ 軌道に乗せるまではどんな職種でも大変。
⑦ 治療院を開く時には、やり方によって法律違反と資格剥奪リスクがある。
⑧ 業種を選ばないと、順調にいってもあまり稼げない(ビジネスモデルを考える必要がある)。
⑨ 専門以外に、経営の勉強が必要。
⑩ 収入は売上次第
⑪ 思ったより自由ではない
⑫ 住宅ローンが組みにくくなることがある。
結構デメリットもあります。
ただ、大きなメリット二つが理学療法士の起業の魅力です。
メリットデメリットを天秤にかけて、方向性を考えておくといいでしょう。
理学療法士が起業する形を考える
理学療法士の起業はどんな形がいいと思いますか??
しっかり考えてから決めることをオススメします。
まず真っ先に思い浮かぶのは治療院を開くことではないでしょうか??
治療院を開くメリット
① 初期投資が低くて済む
② 実力を試せる感じがする
③ 一人でできる
治療院を開くデメリット
① 理学療法士の名前を出した時点で法律違反
(柔道整復師や進級あん摩マッサージなどの資格があるときは別)
② 理学療法士の名前で広告が出せない。
③ 効果を謳うことができない。
④ 事故が起きた時に守ってくれる法律や保険がない。
※もしかしたら治療家向けの保険があるかもしれませんが、江黒は知りません。
⑤ 超高単価にしていかないと、たいして稼げない。
⑥ 広告やマーケティングスキルが必ず必要
⑦ 飽和産業。ライバルが多い。
正直な印象は、はじめ作りやすいけれど、後からどんどんリスクが増していく印象です。
特に理学療法士法によって、開業権がないということはかなり致命的です。
先だって、理学療法士協会の会長も提言を出していましたしね。
未来予測をする際に、他業種の動向をみると良かったりします。
柔道整復師さんが、保険診療で大きくペナルティを喰らいましたね。
大阪の方が特に大きな問題になったと聞いています。
理学療法士にそれが来ないと思いますか??
う〜〜ん、現実的にはペナルティありそうと思うのが妥当と思うけれど、あなたはどう思いますか??
次にあげられるのがデイサービスでの起業です。
デイサービスの起業もおこないやすいものと言えます。
ただ欠点としては、店舗を作らなくてはいけないため、工夫しないと初期投資がかかりやすいところです。
それぞれについてみてみましょう。
デイサービス起業のメリット
① コンセプトをしっかり決めれば、他の業界より集客には困らない。
② やり方によっては小資本でも開業ができる。
③ 他の業界より、安定した収入が得られやすい。
④ 社会的認知度が高い。
⑤ 合法的に理学療法業務が行える。
⑥ 守ってくれる法律的根拠や、損害保険がある。
⑦ デイの運営を工夫すれば、理学療法士の専門性を出すことができる。
この辺りがデイサービスを開くメリットになると思います。
デイサービス起業のデメリット
① 3年に1度の介護報酬改定に大きく振り回される。
② 法律の中で、自由は少ない。
③ 大儲けは難しい。
④ 人手が必要。
⑤ 車が必要。
⑥ 書類が多い。
⑦ 定員10人を超えた時には、看護師さんを雇用するか、訪問看護ステーションなどと提携しなくてはいけない。
この辺はデメリットになります。
まとめると、デイサービスの良さは、理学療法業務をしっかり行えるところ。収益として安定しやすいところです。
反対に、悪いところは人員基準があるので、人手が必要、車が必要。といったところでしょうか。
でも長く仕事をして行く際には、安定感と法律違反の可能性を引きずると大きなストレスになりますよ。
あと、介護保険では、訪問看護ステーションを開くという選択肢もあります。
訪問看護ステーションを開くメリット
① 理学療法業務が在宅で行える。
② 在宅でしかできなりリハビリを追求できる。
③ 医療的な側面が強くなり、勉強にもなる。
訪問看護ステーションのデメリット
① 看護師さんの継続的な雇用が難しい。
② 在宅を1日中回らなくてはならない。体力勝負的。
③ 365日稼働などにすると、休みが少なくなる。
などなど、、、訪問看護ステーションの運営についてはあまり詳しくないので、これくらいにしておきますね^^;
まとめ
どうだったでしょうか??
理学療法士が起業する際に、通常この3つの選択肢を考えるのではないでしょうか??
それぞれメリット・デメリットがあるので、よく考えて実行してくださいね^^
ちなみに私のオススメはもちろんデイサービスです。
病院に近い形での運営が可能ですし。
在宅でできないことができることもメリットだと思います。
思ったより、集客と運営については安定します。
最近は求人に工夫が必要ですけれど。
参考になったら幸いです。
株式会社 保歩笑
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