警告!リハビリや理学療法の本質を忘れてはいないか??

2018/05/23

From:江黒 亮介

 

 

ちょっと強い書き出しからスタートしましたが、

最近つくづく思うことがあります。

 

それは、

理学療法士というものが、

目新しいテクニックにばかり

追いかけているところ。

 

もちろん、

技術の進歩・進化は大切です。

 

それを否定する気はありません。

 

もちろん私自身も

テクニック的なものも追いかけますし、

自分なりにまとめたものもあります。

 

なぜ今日、こんなことを

書こうかと思ったのか。

 

それは

全然ジャンルの違う、

ビジネスにまつわる話からでした。

 

私は理学療法士でもあり、

経営者でもあり、

他社の売上アップのお手伝いもする身です。

 

気がつけば色んな顔を持つようになりました。

 

ですから、いろんなジャンルを学んでいます。

 

その学びの中で、

ダイレクト・マーケティングという

分野があります。

 

テレビCMなどのイメージ広告と違い、

お客に行動を促すマーケティングのことです。

 

特にコピーライティングという技術を学ぶと

面白いことが書かれています。

 

それは・・・

 

コピーライティングやダイレクトマーケティングは

50年間、基本的なことは何一つ変わっていない、

と言うこと。

 

これが書かれています。

 

もちろん、扱うメディアは変化しています。

50年以上前にあったメディアはチラシや

DM、新聞、テレビなどでした。

 

それが今やインターネットだけでなく

SNSなどの各種メディアが加わりました。

 

一人の人間が扱う情報量もうなぎのぼりです。

 

でも、

コピーライティングやダイレクトマーケティングの

基本的な事項は全て同じなのです。

 

それがよくわかるのが

ダイレクト出版のセミナー。

 

古典をよく引き合いに出します。

 

そして、セミナー中にこのようなことを

言います。

 

「古典に学ぶところがたくさんある」

 

言い換えれば

 

「古典に真実がある」

 

と言うこと。

 

ダイレクトマーケティングやコピーライティングだけでなく

人間の購買活動についても、普遍的であると

言われています。

 

これは、ビジネスだけの話なのでしょうか??

もしくは人間の心理や行動だけの話なのでしょうか??

 

僕は違うと思っています。

 

理学療法やリハビリテーションと言われる分野において、

細かいテクニックの進化はあっても、

忘れてはいけない基本があると思っています。

 

では、

 

どんな基本なのか??

何を忘れているのか??

 

そこが気になったかもしれません。

 

一つ答えを出してみたいと思います。

 

まず、理学療法の基本とは何でしょうか??

それを知るためには、

理学療法士の名称や定義に戻らなくてはいけません。

 

理学療法を英語でいうと、

Phisical therapyと言う言葉になります。

 

phisicalとは身体の活動、と言う意味ですね。

もっと平たい言い方をすれば、運動です。

 

そして、私たち理学療法士の定義は、以下のものです。

 

「身体に障害のある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行なわせ、及び電気刺激、マッサージ、温熱その他の物理的手段を加えることをいう」

 

基本的動作能力とは起き上がりや、歩行のことを言います。

その回復のために用いるのは、まずは運動です。

 

そして歩行などを回復させるために、

電気刺激やマッサージ、温熱などの手段を用いている。

 

と言うことです。

 

もともと、理学療法士が制度化されたときは、

理学療法士養成校以外に、多くの

鍼灸(鍼の人)や、マッサージ師さんが試験を受けて

理学療法士になりました。

 

その人たちの多くは、マッサージや鍼を使うことを

やめて、運動による機能回復を追求したそうです。

 

今でいう、単純な筋力強化や

単純な可動域訓練、

そして日常生活動作訓練です。

 

でも、

僕はここに答えがあると思っています。

 

私たち理学療法士のやるべきことを

徹底的に学び、追求していくと、

最後はこの基本に戻っていきます。

 

他職種にできなくて、

私たちにできること。

 

それはいかに効率的に筋力強化をして

歩行などの動作を取り戻してあげるのか。

 

ということ。

 

よく、理学療法士セミナーでの批判では

理学療法はこの50年全く進化していない。

 

と言われることがあります。

 

先ほども申し上げたように、

僕はそれには違和感があります。

 

なぜなら、古典的な理学療法士が

今では考えられない人数の患者さんを

1日にみていて、(50人とかみていたそうですよ)

 

今なら考えられないくらい遅いリハビリ開始時期にも

関わらず効果を出していた。

 

私はギリギリ

昔ながらの理学療法士もみています。

 

昔ながらの理学療法を

しっかり行なっている人の方が

 

不思議にテクニックに

かぶれている理学療法士の

患者さんより後の回復がいい。

 

そんなケースもたくさんみてきました。

 

だから、

テクニックだけじゃなく、

無骨でも基本的なリハビリが大切なのです。

 

とくに最近、特に感じることは、

病院を退院してきた人の筋力が弱い。

 

ほとんど筋トレはしませんでした、とか、

一緒に歩いていただけでした、とか。

マッサージされてました、とか。

 

この変化はなんなんだろう??

って思うんです。

 

テクニックを追求すると

理学療法士としてはとても面白いです。

 

すぐに効果が出るし、

痛みが取れたりするから。

 

でも、

それは一時的にお互いが嬉しいこと。

 

私たちリハビリ従事者は、

嫌われてもいいから、その人が

将来、可能な限りの動作の獲得ができるように

取り組んであげることが大切。

 

目先の効果だけにとらわれてはいけない。

嫌がられても、そこをうまく筋トレして

長期的な効果を実感してもらえるようにする。

 

それが大切だと思っています。

 

例えば、

うちのお客さん、

 

どうしても手術をしなくてはいけないとき、

すごく回復がいいです。

 

合併症だらけの人が多くて、

お医者さんからかなり厳しい告知がある人が多いです。

 

でも、

回復が劇的によくて驚かれることが多い。

 

それはなぜか??

 

無骨な筋トレをみんなしっかりやってくれているから。

手術後、みんな喜んでくれますよ。

筋トレ頑張った甲斐があったって。

 

お医者さんや病院のリハビリの人に

褒めてもらったって。

 

筋トレの効果が積み重なっている。

私はそう思っています。

 

私はそれを

「貯筋」と読んでいます。

 

「貯筋」をしている人は、

回復がいい。

 

私が病院時代にリハビリをしていて

痛感し、そして介護予防というジャンルで

12年近く奮闘してきて、さらに痛感していることです。

 

だからこそ、

原点回帰が大切なのです。

 

いろんな説や考え方はあります。

 

でも、理学療法も突き詰めればシンプルです。

 

動けるためには、

動ける「形」を作り、

動けるための「筋力」をつける。

そうすると「動き」が出てくる。

 

「動き」は大人の場合、

すでに昔、獲得していたものです。

 

それを覚えています。

覚えている動作ができるように

お膳立てすれば、大半の動作は出てくる。

 

だから、

簡単でいいのです。

 

痛みも同様です。

形が崩れて、崩れた形を支える筋力がない。

そんな状況で動こうとしたら、負担がきます。

 

だから痛くなる。

 

では、

形を可能な限り整えてあげて、

支える筋力が出たら、

痛みは自然と和らぎます。

 

そうしたら、動けるようになりますよね??

 

この「形」を整えることもせず、

支える「筋力」を高めようともせず、

 

ただ痛みを取ることだけ追い求めても、

本質にたどり着いていない。

 

これが

リハビリの本質だと思っています。

 

だから、私のリハビリは無骨です。

筋力強化が中心です。

 

時々、もっと歩く練習をしたいと言われます。

でも、私は多くの場合、こう言います。

 

「歩く練習だけして、歩けるようになった人はいないんですよ」

 

なぜか

 

それは

あなたははじめてスキーをしようとしています。

 

ボーゲンもままなりません。

でもあなたはパラレル(板を平行にして)

滑れるようになりたいと思っています。

 

では、

いきなりパラレルの練習をしたらいいのでしょうか??

 

そうではありませんよね??

物事には順序があります。

 

どこかをすっ飛ばしてしまうと、

伸び悩んだり、

どこかを痛めたりしてしまいます。

 

例えば、

イチローもあれだけ打てるようになるために、

毎日試合にで続けたわけでありませんよね。

 

もっと、基礎的な身体面の強化をバットスイングより

重視していると言います。

 

歩行のリハビリも同様です。

 

どうしても、

歩けなくなった方は、

歩く練習をしたいです。

 

だから、魅力的に販売戦略を取ろうと思えば、

歩行リハビリ〜〜〜とした方がいいですよね。

 

もし、その戦略をとったとしても、

本当にあなたの目の前の患者さんを良くしたい。

 

そう思ったら、

一番大切なのは、基礎の基礎です。

 

あなたが、

それを目の前の患者さんやお客さんに

説明できるか。

 

それによって、

その人の伸び代が変わります。

 

古典的な理学療法が大好きな、

経験年数が増えてきた理学療法士からの

警鐘でした。

 

今回の記事をまとめると・・・

 

全ての物事には

古典に真実がある。

 

ビジネスしかり、

リハビリ然り。

 

今でも「論語」や「孫子の兵法」とか読まれてますでしょ。

あれと同じです。

 

新しければ、全て正しい。

そんなことはありません。

 

人は歴史を紡いで生きてきます。

必ず最初の古典に真実があります。

 

なぜならそれは一番純粋なことが書かれているから。

 

そこから分岐してできているのが、

最新のテクニックだから。

 

テクニックを使いこなすためにも、

古典を知らなくてはいけない。

 

僕は理学療法士の先人と、

ビジネスからそれを学んだ。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
株式会社 保歩笑
http://hohoemi-1030.com/
住所:〒167-0051 東京都杉並区荻窪5-15-22
HOLD 荻窪ビル4階
TEL:03-6279-7083
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆