圧迫骨折になったらリハビリを休まなければいけないの??

2018/04/23

From:江黒 亮介

 

 

時々、こんな質問を受けます。

 

圧迫骨折になったら、リハビリを休まなければいけないの??

 

と。

 

圧迫骨折とは、

転倒したり、骨が弱くなっていることを背景に

背骨の一部が潰れてしまうことを圧迫骨折と言います。

 

圧迫骨折の治療は

ほとんどの場合、潰れた骨が固まるのを待つしかありません。

 

例外として潰れた部分を埋める手術もありますが、

正直なところ、その手術を受けて楽になった人を

まだ見たことがありません。

 

かえって、リハビリデイサービスへの復帰も

遅くなって、体力が低下して、

日常生活が大変になってしまった方も

散見するほどです。

 

手術もあまりしないほうがいいので、

結果的に骨が固くなるまで待つという

方法になります。

 

では、

 

その間、リハビリをしてはいけないのでしょうか?

 

圧迫骨折した後、すぐにリハビリをしたほうがいいのかいけないのか?

 

実は

 

圧迫骨折後すぐにリハビリを

したほうがいいのです。

 

これには

医学的証拠もあります。

 

圧迫骨折後、早いうちにリハビリを

開始した人と、

 

圧迫骨折後に安静にしていた人。

 

どちらが痛みが軽かったか。

どちらが日常生活が楽だったか。

 

これは早くからリハビリをした人が

痛みが軽くて、日常生活も楽に行えていました。

 

それはなぜか??

 

背骨をまっすぐに支える大切な筋肉に、

多裂筋という筋肉があります。

 

早くからリハビリを開始した人は、

実はその多裂筋が痩せなくて済んだのです。

 

一方、

 

安静にした人は

多裂筋が痩せてしまいました。

 

圧迫骨折は、

お腹側の骨が潰れます。

 

背中側の骨は実は骨折しないで

元気な状態です。

 

多裂筋はその元気な後ろ側についています。

 

多裂筋が元気に働いていると、

後方の元気な骨の部分を支えて、

体をまっすぐに保ってくれます。

 

ところが、

多裂筋が痩せてしまうと、

 

背骨をまっすぐに保つことができなくなります。

 

猫背の姿勢になってしまいます。

 

圧迫骨折は、お腹側の骨が

潰れます。

 

ですから、

猫背になると、圧迫骨折で

潰れた部分に上半身の重さが乗ってきてしまいます。

 

折れた骨で上半身を支える形になってしまいます。

 

だから、痛みが引かないのです。

 

骨にも負担になるし、

痩せてしまった多裂筋も、

なんとか骨への負担を減らそうとして

頑張って働きすぎて

筋肉による強烈な痛みまで出してしまいます。

 

そうなると、

リハビリとしては大変な状態になってしまいます。

 

しかも

 

骨が弱ければ、

折れたところに慢性的に負担が

かかるので、

 

さらに骨が潰れてしまったり、

周りの骨まで徐々に圧迫骨折になってしまうことも

けっこう見られます。

 

圧迫骨折後の

早いうちからリハビリをすることが大切です。

 

もちろん注意も必要

 

もちろん、

圧迫骨折をしたばかりですから、

 

言い方を変えれば、

背骨の骨が潰れてしまっているわけですから、

 

痛みももちろん強いですし、

 

変な負担をかければ、

骨折の治癒を遅らせてしまいます。

 

その辺りは注意しなくてはいけません。

 

ではどんな運動をしてはいけないのでしょうか?

 

圧迫骨折後に3ヶ月は絶対に行ってはいけない3つの運動

 

まず絶対行ってはいけないのが、

前屈運動です。

 

前屈運動を頑張ってやってしまうと、

潰れた骨に上半身の重さが乗ってきてしまいます。

 

潰れた骨はまだダメージもあるし、

弱い状態になっています。

 

ですから、

 

猫背や前屈は絶対やめましょう。

圧迫骨折後3ヶ月くらいはそれを

守っていかなくてはいけません。

 

そこについては、

お医者さんがレントゲンを見ながら

判断してくれます。

 

さらにダメな運動があります。

 

それは

 

体を捻る運動です。

 

体を捻る運動をすると、

背骨も回旋します。

 

そうすると、痛みで過緊張していること

組織を無理やり動かす形になります。

 

動かされた組織も

悲鳴をあげるほどの痛みを出しますし、

 

背骨自体は、

単純にねじれる訳ではなく、

 

3Dに斜めに捻じれますから、

圧迫骨折を最悪は進行させてしまいます。

 

ですから、

体を捻る運動も3ヶ月は避けましょう。

 

そして、最後。

これが最悪な動きになります。

 

斜め下の物をとるような動きです。

 

捻じれつつ、お辞儀をする。

 

床のものをとったり、

足の爪を切ったり、

靴のチャックを閉めたり、

 

ついつい日常生活で

行いがちな動きですね。

 

でもこれが最高に負担になります。

 

お辞儀で上半身の重さが潰れた

骨にかかり、

 

それだけでなく、3Dに

斜めに捻じれたストレスもかかる。

 

話を聞いただけでも痛そうでしょ。

 

だから避けてほしい動きです。

 

まずはこのルールを覚えておいてください。

 

このルールを外さないように

リハビリメニューを組めば、

 

骨が固くなるとともに、

あなたの圧迫骨折の痛みは

軽くなっていきます。

 

圧迫骨折をした後すぐに、どんな運動を行ったらいいの??

 

では、圧迫骨折後に

どんな運動をしたらいいのか。

 

基本的な運動がすごく大切です。

 

圧迫骨折後に早めにやりたい種目その1:SLR運動

 

例えば

足上げの運動。

 

痛みが出ない範囲で

ゆっくり行います。

 

せっかちな方は早くやりたがりますが、

背骨への負担になりやすいので、

まずはゆっくり行ないましょう。

 

10回やってみて、大丈夫なら

20回まで行ないましょう。

 

余裕があれば、

下腹部を凹ましながらやると

さらに効果的です。

 

SLR

 

細かい方法は

参考記事に載せてありますので、

そちらをご覧になってくださいね。

↓↓↓

参考記事:腰痛やふらつきが心配なあなたに。腸腰筋に目を向けよう!!

 

 

では次はこのような運動がオススメです。

 

圧迫骨折後すぐにチャレンジしたい、リハビリ運動その2:お尻あげ

 

お尻あげ運動の方法

 

 

 

上の図のように、お膝を立ててお尻を持ち上げます。

 

実はこの運動は、

圧迫骨折後すぐにはほとんど

お尻を持ち上げることが出来ません。

 

ですが、

この動作ができないと、

 

いざ脚力が弱くなった時に

介助も含めて大変になってしまいます。

 

以前、

リハビリドクターが出した本の中で、

介護予防で超えてはいけない一線が、

お尻あげができなくなるということだと

言っていました。

 

本当にその通りだと思います。

 

オムツも変えられない。

歩くことも出来ない。

 

それを避けるためには、

この運動はとても大切です。

 

圧迫骨折後で痛みが強い場合は、

動かそうとするだけでいいです。

 

僕は、これに他の方法を

交えてお尻あげができるように

つなげています。

 

無理はせずに

でもチャレンジしていく。

 

でもなかなか一人では難しい場合が多いです。

 

骨折後なので、

痛みの出方でケースバイーケースで

行う場合も多くあります。

 

悩んだら、

僕たちのようなリハビリの専門家に

お声掛けください。

 

あなたに適したアドバイスをさせて

頂きます。

 

そうしていただいた方が、

痛みも動きも含めて

早く良くなる道になりますから。

 

圧迫骨折後早めにやりたいリハビリ運動その3:腹筋運動

 

お辞儀を強くしてはいけないと

申し上げていましたね。

 

腹筋運動は

無理に頑張りすぎると

 

骨に負担がかかる場合があります。

 

ですが、

 

この方法なら安心して腹筋を鍛えることができます。

背骨を痛めると、神経的な作用で

腹筋が働きにくくなります。

 

働きにくいまま使わないでいると、

腹筋が弱くなってしまいます。

 

腹筋が弱くなってしまうと、

お腹がペチャっと潰れたようになってしまいます。

 

よく、背中が大きく丸くなっている方の腹筋を見ると

ペチャっとしています。

 

腹筋が弱くなってしまうことで、

猫背も助長されやすくなります。

 

圧迫骨折の方は、

結果的に猫背になることで、

痛みが引かなくなってしまうのです。

 

腹筋を鍛えることで、

今まで申し上げてきたことの多くが

予防できます。

 

では早速やってみましょう。

 

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この図をみていただくと簡単ですよね。

 

特に圧迫骨折後は痛みも出やすいので、

ここに書いてあるより動きは小さくて大丈夫です。

 

少しずつやってみましょう。

 

気をつけて欲しいのは、

勢いをつけないこと。

 

そして、高くあげすぎないこと。

 

この2点です。

 

ぜひやってみてください。

 

まとめ

 

圧迫骨折後に、すぐに運動をした方がいいのかどうか。

 

そんな質問をよく受けます。

 

基本的には

圧迫骨折後すぐに適切なリハビリをした方が、

痛みもその後の日常生活も

楽に過ごせることが医学的に証明されています。

 

ですが、もちろん骨折部を刺激しないように

気をつけて行わなくてはいけません。

 

今回は簡単にできる3つの種目を

ご紹介しました。

 

以前のように、

圧迫骨折で入院することは

ほとんどなくなりました。

 

ですから、より一層、

自分でできる運動を知っていただく

ことが大切です。

 

そして、もしあなたが

理学療法士のいるリハビリ施設に

関わっているのなら、

 

圧迫骨折してすぐに

リハビリをしてもらえるように

してください。

 

痛みは強いけれど、

適切にリハビリをすれば、

 

あなたの痛みも、

あなたの日常生活も楽になる。

 

長い目で見ると大きな

違いが出てきます。

 

参考にしてみてくださいね。

 

もし、自信がない。

分からない。

 

そんなことがあったら、

お気軽にお問い合わせくださいね。

 

 

 

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